「人類は、宇宙にさまよう永久機関のひとつである」

神とは一切の我に対する普遍的な汝であり、これがなければ人間は決して自己を見出すことができません。始点もなければ終点もない、無限に深められる鏡のようなもの。私たちはその調和のいくばくかを、かすかに聞き取ることしかできません。
死から救われ、自己の上に高められ、さらに浄化されて、完成へと導かれる。永遠の織りなしに働くこの世界創造は、いつでも私たちによって起こります。万有の一つの力として、私たちは目に見えぬ階層を今この瞬間も進んでいます。
ことばに表せぬもの、わずかに察知されるもの、感得されるべきもの。その予感は私たちを深い底へ立ち戻らせて、まだ開示されていない真意があることを示します。
大きすぎるものが視界に映らないこと。それが正しい意味での「視」を意味するのではないでしょうか。

  • 1. 風の中で生まれる私たち

    宇宙にはエーテルと呼ばれる超微粒子が充満しています。正確にはSエーテルとNエーテルの二種類があり、それぞれがお互いの極を交流しながら全体として磁気的な流れを生み出しています。この目に見えない風が宇宙空間を統一しており、地球の核に向かって吹き込んでいます。原子よりも小さな粒子の巨大な風。すべての生命現象はこの風の中で生まれます。

  • 2. 永遠であるところの0次元

    エーテルの風は時を越えて充満しており、そこに時間的な要素はありません。私たちが生まれるのはその途上においてです。永遠でありながら一点として存在し、過去と未来は同じこととして打ち消し合う。0次元(点)であるところの私たちは、方向の制約を受けません。目に見える世界(C/D)だけでなく、それ以外の記憶(A/B)からの影響を受け続けています。

  • 3. 地球とポテンシャル・エネルギー

    過去と未来を一体的に満たしながら全空間に充満するエーテルの風。この風は双方交流を成しており、物体の質量が大きいほど「強く」吹き込む性質があります。この風による影響を受けて、地表にある物体に生じる運動エネルギーをポテンシャル・エネルギーと呼びます。宇宙と地球のあいだに生じている微粒子の交流。これと同じ現象が人間のからだにも起きています。

  • 4. 想念のエネルギーと質量の変化

    私たちの存在を物理的にみたとき、私と他者は二つの星にたとえられます。星にはそれぞれ質量がありますが、この質量は一定ではありません。私たちが強い想念によってエネルギーを発生させる場合、そのエネルギーは質量に変換されます(E=mc 二乗)。質量の変化はエーテルの風の量を変化させ、周りの人間(あるいは相手)にポテンシャル・エネルギーを与えるのです。

  • 5. 宇宙で起こっている同期現象

    宇宙には一つの原則があります。エーテルを介した流動現象は同時一体的に起こるという原則です。上流と下流のふるまいの間に時間的な乖離はなく、すべてが原因であると同時に作用であり続けます。人と人のあいだのポテンシャル・エネルギーの変化は同期的に起こっており、全体として一つの次元上昇となり得ます。私たちは常に影響を与え合う存在なのです。

  • 6. 聞くという行為の理論的意味

    聞くという行為が人間にとって何を意味するか。それは思念の力によるポテンシャル・エネルギーの同期現象です。共感とは他者とのあいだに起こるポテンシャル・エネルギーの上昇の事であり、これは人間同士に限りません。ヒトと動物の間にも起こります。命と命のあいだに起こる共感や感動は宇宙レベルでのエネルギーの上昇、時空を超えた一体性の瞬間なのです。

  • 7. 重力は光の速度を変化させる

    心とは、まさに時空を超えた同期現象を起こすための媒介装置といえるでしょう。人間のポテンシャル・エネルギーが変化するとき、そこに発生するのが重力です。人間が生み出す重力が増減するということは、人間それぞれに光の速度が異なるということを意味しています。人間は自らが光源であり、その反射板として人生を映し出すスクリーンの役割も果たしています。

  • 8. 人間は生きた天体である

    光の速度が違うということは、時間=人生の変化の速さが人によって異なることを表しています。私たちは宇宙と直接つながっており、互いに想念を交流させることによってポテンシャル・エネルギー(=存在位置)を高め合うことが可能です。聞くという行為はその最たる技術と言えます。自己の抽象度を高め、そして風の中に去っていく。私たちはそういう存在なのです。